海のゴミ問題2 鳥やウミガメへ与える知られていない深刻な影響とは

画像:Clean Up Your Trash / impeartrice

人間が何気なしに捨てたゴミが海に流れでて、そのゴミが知らず知らずのうちに動物の命を奪っているという現実があります。

プラスチックやビニールといった劣化のしない素材は、人間の世界ではとても便利で使い勝手がよいものですが、その便利なモノが一旦ゴミとして海に流れ出ると、『劣化しない』という特性が、そこに住む動物達には凶器に変わるのです。

生物の中には、小さな人工のゴミを餌と間違えて飲んでしまい、そのまま消化されず排泄もされることもなく胃袋にたまり、その後餌を食べることが出来ずに死んでしまうというケースが多く報告されています。

日本の海から出たゴミが多く流れつく場所ハワイ・ミッドウェイ環礁には、コアホウドリが多く生息していて、島のいたるところにコアホウドリの雛の死骸がみられます。そして死んでしまった原因には、プラスチック系のゴミが原因となっている場合が多いそうです。

画像:birdwatching-bliss.com NOAA

ゴミの誤飲が直接の死因ではないとされるコアホウドリを調査してみても、少なからず人工のゴミを飲み込んでいる場合が多とのことです。誤飲しないまでも好奇心で人工物に近づいたり、ゴミの陰に集まった魚を食べようとしてゴミに引っかかったり、絡まったりしてしまうケースもあようです。一度体に絡みついてしまうと、人間のように器用に自分では外すことが出来きないので、口や足に絡まってしまうと、餌を食べたりその場から動くことが出来ずにそのまま死んでしまいます。

たかが釣り糸一本、空き缶一つぐらいと思って捨てたゴミが、動物の命を奪っていき、それが直接人間には影響がないと思われるかもしれませんが、人間の出したゴミよって生物が死んでいき、生態系自体が崩れていくと、いつかは人間の存続にも大きくかかわってくる日がやってくるのではないかと思います。

特に日本の海岸には、海外の海岸に比べてゴミが多く捨てられているように思います。小さなゴミから、時には冷蔵庫、テレビ、バイクまで・・・。先進国とは思えない光景です。それはたぶん、海をライフスタイルの一部として活用する習慣が日本には少ないからだと思います。

ロサンゼルスのビーチ沿いには、ジョギングやサイクリングができるコースが作られていたり、キレイでお洒落なカフェやレストランが並んでいます。そのため朝や夕方には夫婦でコーヒーを飲みながら散歩を楽しんだり、健康的にエクササイズをする人など、ライフスタイルの一部として海を訪れる人達がとても多いです。

このように、身近に海のすばらしさを感じる事が出来るライフスタイルを送っている人達が多いので、一人ひとりの心に海岸をキレイに保っていきたいという意識があるのだと思います。そのため、海にゴミを捨てるなんていうことはありえないし、そういう人がいたら間違いなく注意されます。粗大ゴミなんて論外です。

日本もせっかく海に囲まれた国なのだから、もっと海沿いを整備して、みんなが海の素晴らしさを感じることの出来る街づくりにしていけば、自然と海のゴミは減っていくのではないかと思います。