いい波を当てる! 〜 夏(8〜9月)編
日本においてもっともコンスタントに波がありサイズも上がるのが、8月から9月にかけての夏のシーズン。理由はもちろん次から次へとやってくる台風です。ポイントによってはワールドクラス級の波が立つこともあります。サーファーにとっては台風の進路が気になって仕事どころではない時期でもありますね。。
なぜこの時期は波があるのか?なぜこの時期に台風が発生するのか?どこに台風があると波がいいの?などを、『サーファーのための気象ガイドブック』を参考に見ていきます。
日本の夏に台風が発生する理由
台風は海水温が26.5度以上になると発生するといわれ、発生した台風は亜熱帯海域上の暖かい海域を移動していきます。そのため、たとえ春に遠い南の海上で台風が発生したとしても、日本の近くの海水温はまだまだ低いので、日本には接近せずフィリピンの方へ向かって移動してしまいます。
ところが夏になると、日本近海の水温も上昇してくるので、日本の近海でも台風が発生します。またはるか南の海上で発生した台風も西へ進路を取らず北上し、太平洋高気圧のまわりを通って日本に接近してきます。そのために夏の時期にはたくさんの台風がやってくるということです。
また夏の台風は、秋の台風とは違って速度が遅く、時には動かずにそのばに停滞することもあります。よって何日にも渡って良い波を届けてくれる要因にもなっています。
台風はどこの位置にあるといい波が立つの?
よく台風のスェウルが届く目安として、北緯20度線まで台風が北上しているかどうか判断基準とされます。その理由は、台風のスウェルは2000キロ先まで届くと言われていて、北緯20度からみると日本の太平洋側の多くのポイントが、この2000キロの圏内に入るためにスウェルが届くということです。
ただ2000キロギリギリの圏内では、届いてもヒザぐらという事もあるので、しっかりとしたサイズを求めるのであれば1500キロぐらいを目安とすると良いようです。逆に500キロ圏内に入るとクローズとなるので注意してください。
千葉北エリアからみた台風の目安位置
直線距離を測る方法
台風の位置と、自分が入るポイントとがどのぐらい離れているかを測るにはGooge Mapが便利です
(※スマートフォンやタブレットではこのサービスは利用できないので、パソコンで調べてみてください)
- Google Mapで自分が入るポイント右クリック。
- 右クリックするとメニューが表示されるので、[距離を測定]を選択。この時点で始点が決まります。
- 台風の位置を左クリック。すると直線距離が上の画像のように自動で計算され表示されます。
台風の強さによってはスウェルのが届く目安の距離も変わってきますので、常に台風の中心気圧と最大風速をチェックしておく必要があります。
『サーファーのための気象ガイドブック』によると、中心気圧が940ヘクトパスカル以下で、最大風速が40メートル以上であれば、遠く離れた南の海上にあってもサイズのあるスウェルが届くとのことです。台風の強さでいうと「非常に強い」と表されるタイプです。
ちなみに2005年にフロリダで発生し、世界で最悪の被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」の中心気圧が902ヘクトパスカルで、最大風速が78メートルだったようです。規格外ですね、、
台風の進路予測には、当サイトで提供している波予測ツールでも1週間先まで波・風・天気の予測を見ることができるので、ぜひ活用してみてください。
台風スウェル以外でも夏はコンスタントにがある!
ビギナーの方や、大きな波が好きではないサーファーにもとっては、台風は必ずしも歓迎されれるものではありません。しかし台風がないときでも夏はコンスタントに楽しめる波があります。なぜ夏はコンスタンに波があるのでしょうか?
太平洋高気圧が強かろうが弱かろうが、はるか南の海上には必ず台風や熱帯低気圧があって、どこかで海は荒れている。太平洋高気圧から吹き出す風も、沖合で常に2メートル程度の波は立てている。台風のような大規模の嵐はなくても、比較的近いところでスコールなどの小さな嵐はしょっちゅう起きる。だから夏の海は穏やかなようで、絶えず波が立っているのっだ。
『サーファーのための気象ガイドブック』P.84より
雷には気をつけろ!!
ここ近年は異常気象のためか、雷をともなった激しいゲリラ豪雨がおきます。海の中での落雷がどれだけ危険な事は説明するまでもないと思います。ゴロゴロとなる前に怪しい雲が出てきらら即上がる!!を徹底しましょう。
気象ガイドブックでは以下のように警告しています。
海の中では逃げ隠れするところが全くない。しかも、雷がなり始めてから戻ろうと思っても、海は突風で荒れてくるし、海岸に上がったところですぐに避難場所が見つかるとも限らない。雷がなり始めたら手遅れだというぐらいに心得るべきだ。
『サーファーのための気象ガイドブック』P.85より
夏のベストエリアは?
台風からの南スウェルをひろう太平洋側全域の外海のポイントで大きな波が期待できるでしょう。
サイズが上がりすぎると、ビーチブレイクのポイントではクローズになってしまうことも多いので、リーフブレイクのポイントや湾になったポイントも狙うといいでしょう。南シナ海や日本海側でも、大きな台風が通過した後のバックスウェルが期待できます。
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