本の感想『会社をやめてハワイでサーフィン三昧』:人は存在しているだけで価値がある
アマゾンのおすすめ商品のコーナーから導かれるように買ってしまったのがこちらの本。アマゾンのおすすめには何度も買わされています。笑
タイトルだけで、こういう系かぁ・・・って判断しないでください!笑
一見、社会からドロップアウトしたサーファーの自己満的な本かと思われますが、全然違います。
ホントに心温まるよいストーリー。小説です。スタバで読んでいたんですが、ついウルっときてしまいました、、、。
ちなみに主人公はもともとサーファーでもなく、サーフィンをしにハワイに行ったわけではありません。
内容をアマゾンから抜粋・・・
「働く」とはいったい何だろう? 受験戦争を勝ち抜いて一流大学を卒業し一流企業に就職した。それ以来会社にすべてを捧げて身を粉にして働いてきたのに、気がついたら妻と子どもは去り、会社からは裏切られ、うつ病になるまで追い詰められた。「将来」のために頑張ってきた結果すべてを失った菅原(45)はハワイに移住することを決める。目的はない。貯金が尽きるまでひたすら「現在」を楽しみたかったのだ。
普段小説はほとんど読まないのですが、一気に完読しました。読み終わったあとは、なんだか映画のエンドロールを見ているような心地よい余韻が残ります。そしてすこしだけ自分にも人に対しても優しくなれそうな気にさせてくれる、そんな本です。
自分にも他人にも優しく・・・なんて歯の浮くような表現ですが、それぐらい爽やかに気持ちになったというわけです。。
とにかく好きなことをして生きてくという内容は、最近よく目にするホリエモンの本「多動力」にもつながる話でもあります。
物語の中にはいろいろな人生を送ってきた人物がそれぞれ登場しますが、その中で僕が一番印象に残ったのが、主人公菅原の息子の言葉です。
「本当は誰でもそこにいるという以上の価値なんてないのかもしれない」
中学生の言葉です。親がダメだと子供はしっかりするもんです。
人は他人に認めてもらいたいとか、出来るヤツだとか思われたくて、つい必要以上に頑張ってしまいます。特に日本は、○○でなければならない!というのが強いので、他人の価値観の中で生きなけれならない場面が多くあるように思います。そのために生きずらさを感じ、最悪の場合ウツになってしまう人もいます。
しかし特別なことなど何もしなくてもいいんです。ただ好きなように生きているだけでも必ず誰かの役に立っていて、十分価値のある存在でいられるのです。むしろその方が、不思議と人生が好転していきます。
たとえ無理して何かになったところで、本来の自分が存在している以上の価値を提供することなど出来ないのだと感じさせられました。
誕生日や何かの記念日にプレゼントをもらうと、その行為に対してはもちろん「ありがとう」と感謝します。でも、その人の本当の良さを感じられるのって、そういうプレゼントとかよりも普段の何気ない行動だったり、言葉だったりします。
本人からすると、だだ普通に言った言葉とか自然な行動なので、特別に何かしたとは思っていません。しかし相手からすると、そこに本当の価値を感じるものです。
逆に普段の付き合いの中でそういう気持ちが感じられないと、高額なプレゼントをせがまれる場合もあります・・・。
ストーリーの中では、ただ自分の思うように生きて、自分が出来ることを普通にしているだけで、誰かにとってはかけがえのない存在になっていたり、結果的に一生忘れられないような楽しさを提供していたり、人生の大きな決断のきっかけになるような影響を与える存在になっていたりといった場面がいくつも出てきます。
根本にあるのは、自然体で気の向くままです。
ダメ親父がハワイの空港で息子にかけるストレートな言葉に、泣けました。。
父親でもありサーファーでもある立場から、息子に向けて言った言葉なのか、それともサーファー仲間として言ったのかわかりませんが、とにかく素直な気持ちを我慢できずに発するんですよね〜。ネタバレになるので書きませんが・・・。
本当にサーフィンをやっていてよかったなと、つくづく思う本です。
ハワイに行ったことのある方であれば、ノースショアのあの風景を思い浮かべながら読めるのではないかと思います。
おすすめです!
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